2020年度 研究助成 受領者および課題一覧

Top 財団代表挨拶 選考委員代表挨拶 立石賞 研究助成(S)発表 受領者一覧 選考委員 アンケート ログアウト 研究助成(S) 最大3,000万円(間接経費含む)/3年を助成 研究期間:2020年4月~2023年3月 研究課題説明シート一覧へ No. 氏名(五十音順) 所属・職名 研究課題 課題シート 1 横川 隆司 京都大学大学院 工学研究科教授 人工透析患者の減少を目指すオールヒトiPS細胞腎臓糸球体チップの開発 URL: http://www.ksys.me.kyoto-u.ac.jp/ 2 依田 育士 国立研究開発法人産業技術総合研究所主任研究員 ジェスチャインタフェースの基盤技術の高度化と臨床評価に関する研究開発 URL: http://gesture-interface.jp/ 申請件数:16件,採択件数:2件  助成金額 59,991千円 研究助成(A) 最大250万円(直接経費)を助成 研究期間:2020年4月~2021年3月[一部2021年9月,2022年3月] 研究課題説明シート一覧へ No. 氏名(五十音順) 所属・職名 研究課題 課題シート 1 秋山 佳丈 信州大学 繊維学部機械・ロボット学科准教授 インクジェット超瞬間凍結による凍結困難バイオリソースの凍結保存への挑戦 URL: http://biohybrid.chips.jp/ 2 雨谷 弓弥子 千葉大学 環境健康フィールド科学センター特任研究員 人工光型植物工場におけるPhenotypingシステムの開発とその利用 URL: http://www.chiba-u.ac.jp/research/index.html 3 有田 輝 立命館大学 理工学部助教 優しく触れるロボットのための連続的接触遷移制御の理論究明 4 石川 博 早稲田大学 理工学術院教授 画像空間の構造と画像変換ネットワークの構造の関係の研究 URL: http://hi.cs.waseda.ac.jp/index.php/ja/ 5 牛山 潤一 慶應義塾大学 環境情報学部准教授 義足歩行の習熟を支える神経基盤の理解とその定量評価システムの開発 URL: http://hmn.sfc.keio.ac.jp 6 木下 史也 富山県立大学 工学部電子情報工学科講師 高齢者の視機能領域の拡大を目的としたビジョントレーニングシステムの開発 URL: http://www.pu-toyama.ac.jp/ 7 木村 新 国立スポーツ科学センター研究員 技能継承システム開発に向けた関節間の協調関係に関わる技能の形式化 8 木本 充彦 慶應義塾大学 理工学部訪問研究員(日本学術振興会) 仮想空間における触れあいインタラクションに着目したプレタッチの研究 9 上瀧 剛 熊本大学 工学部情報電気工学科准教授 熊本城復興支援のための石垣表面テクスチャの照合技術の開発 URL: http://navi.cs.kumamoto-u.ac.jp 10 茂里 康 和歌山県立医科大学 医学部教授 先天性色覚障がい者の色識別能力を改善する演色性の良い照明光源の試作 URL: http://www.wakayama-med.ac.jp 11 高橋 容子 順天堂大学 保健医療学部理学療法学科助教 転倒予防に向けた脊髄神経基盤の解明とロボットリハビリテーションの開発 URL: http://www.juntendo.ac.jp 12 髙山 祐三 国立研究開発法人産業技術総合研究所 創薬基盤研究部門主任研究員 心臓機能を調整する自律神経活動のin vitroモニタリング・コントロール技術の開発 URL: http://sites.google.com/site/yuzotaka0124/ 13 武田 隆宏 第一工業大学 工学部機械システム工学科講師 マルチモーダルTrail Making Testに基づく高次脳機能障害の評価システムの開発 URL: http://www.daiichi-koudai.ac.jp 14 張 潮 福井大学学術研究院 工学系部門助教 一人称カメラを用いた歩行時の姿勢推定と視覚障がい者の感覚代行への応用 URL: http://www.labzhang.com/ 15 任田 崇吾 石川工業高等専門学校 電子情報工学科助教 高精度カフレス血圧計測のための脈波測定条件の探求 16 長津 裕己 中央大学 理工学部助教 状態観測器とマルチセンサ情報の統合に基づく動作の手伝え教示 URL: http://www.elect.chuo-u.ac.jp/hlab/ 17 長濱 峻介 早稲田大学理工学術院総合研究所研究院講師 分布型触覚センサSoft-MPS Arrayの開発 URL: http://www.sugano.mech.waseda.ac.jp/jp/ 18 中村 友彦 東京大学大学院 情報理工学系研究科特任助教 ウェーブレット解析と深層学習に基づく時間領域音源分離の検討 URL: http://tomohikonakamura.github.io/Tomohiko-Nakamura/ 19 新田 尚隆 国立研究開発法人産業技術総合研究所 健康工学研究部門主任研究員 自律的に駆動するパッチ型超音波振動子を用いた感染防止システムの開発 URL: http://unit.aist.go.jp/hri/ 20 原 正之 埼玉大学大学院 理工学研究科准教授 協調的動作により“存在の感覚”の実験的誘起を可能にする基盤技術の創成 URL: http://measurement.mech.saitama-u.ac.jp/ 21 平田 晃正 名古屋工業大学 先端医用物理・情報工学研究センターセンター長(教授) センシングと物理・生理統合計算のデータ同化による熱中症リスク管理 22 福井 隆雄 東京都立大学 システムデザイン学部准教授 バーチャルリアリティ環境下での擬似触覚生成に関わる行動・生理指標の抽出 23 福里 司 東京大学情報理工学系研究科助教 ラフスケッチ画から高品質な3Dキャラクタを制作するための深層学習フレームワーク URL: http://sites.google.com/site/tsukasafukusato/index-j 24 真下 智昭 豊橋技術科学大学 機械工学系准教授 柔軟超音波モータを用いた内視鏡ロボットの開発 URL: http://eiiris.tut.ac.jp/mashimo/wordpress/ 25 舛屋 賢 東京工業大学工学院 機械系助教 関節可動域訓練のための人と親和性の高い下肢装具型ロボットの可変インピーダンス制御 URL: http://www.hcds.esd.titech.ac.jp/htmls/member/masuya/index.html 26 松本 理器 神戸大学大学院 医学研究科内科学講座教授 超高齢社会での医療応用をめざしたウェラブル脳波デバイスの開発 URL: http://www.med.kobe-u.ac.jp/sinkei/ 27 宮城 桂 沖縄工業高等専門学校 情報通信システム工学科講師 人とAIが調和する技能伝承支援基盤の構築-琉球古典音楽・歌三線の普及に向けて- 28 宮嵜 哲郎 東京大学大学院 情報理工学系研究科助教 空気圧駆動歩容アシストスーツの圧力ベース歩容推定を用いた歩行・走行トレーニング装置 URL: http://reins.tmd.ac.jp/html/100025077_ja.html 29 宮本 裕士 熊本大学 熊本大学病院 消化器外科講師 人工知能を用いたCTテクスチャ解析による消化器癌化学療法の効果予測 30 森 信介 京都大学 学術情報メディアセンター教授 生命科学実験の実施映像からのプロトコル文生成 URL: http://www.ar.media.kyoto-u.ac.jp/ 31 森脇 健司 弘前大学 理工学研究科助教 粘着特性も測れる指先装着型触覚提示デバイスの開発 URL: http://www.mech.hirosaki-u.ac.jp/~sasagawa/labhp/ 32 吉田 昭太郎 中央大学 理工学部電気電子情報通信工学科助教 有機電子回路とハイドロゲルを融合した生体計測用ソフト電子デバイスの開発 URL: http://researchmap.jp/shotaro_yoshida/ 33 渡邊 哲陽 金沢大学 理工研究域フロンティア工学系教授 ロボットの協働操作による自閉症者の言語・非言語コミュニケーション訓練 URL: http://zkks.w3.kanazawa-u.ac.jp/watanabe/ 34 Wang Lu 慶應義塾大学大学院 理工学研究科特任助教 ブラインド信号源分離に適用する非線形混合のマルチ部分空間表現に関する研究 申請件数:143件,採択件数:34件  助成金額 96,038千円 研究助成(B) 最大500万円(直接経費)を助成 研究期間:2020年4月~2022年3月 研究課題説明シート一覧へ No. 氏名(五十音順) 所属・職名 研究課題 課題シート 1 今井 喜胤 近畿大学 理工学部応用化学科准教授 精密ロボットアーム操作を支援する3Dディスプレイ用回転発光LEDの開発 URL: http://www.apch.kindai.ac.jp/orgstchem-folder/index.html 2 桑名 健太 東京電機大学 工学部准教授 メンテナビリティ・セキュリティ・セーフティを考慮した分娩室運用管理システムの研究 URL: http://ra-data.dendai.ac.jp/tduhp/KgApp?kyoinId=ymbygdybggy 3 南 征吾 大阪河崎リハビリテーション大学 リハビリテーション学部講師 慢性重度片麻痺上肢の回復に有効なサイバネティック機能的電気刺激装置の開発 申請件数:20件,採択件数:3件  助成金額 17,140千円 研究助成(C) 博士後期課程の学生に年間50万円(直接経費)を助成 研究期間:2020年4月~(最大3年) 研究課題説明シート一覧へ No. 氏名(五十音順) 所属・職名 研究課題 課題シート 1 礒本 俊弥 筑波大学大学院 理工情報生命学術院システム情報工学研究群博士後期課程 意図しない操作に対して堅牢な視線に基づくコンピュータの操作手法 URL: http://www.iplab.cs.tsukuba.ac.jp 2 岩﨑 雅矢 大阪大学大学院 工学研究科博士後期課程 エンゲージメント推定によって場の雰囲気を読む接客ロボットのフィールド研究 3 加藤 辰弥 東京大学大学院 総合文化研究科博士後期課程 上-下肢間の協調運動の巧拙に関わる差異の検証と脳刺激による協調運動能力への介入 URL: http://www.u-tokyo.ac.jp 4 陳 思楠 神戸大学大学院 システム情報学研究科博士後期課程 コンピュータビジョンとエージェントを活用した在宅介護支援に関する研究 URL: http://cs27.org 5 彭 祖癸 東京工業大学大学院 工学院・機械系博士後期課程 人工細胞膜と受容体タンパク質を利用した脳神経インタフェースの開発 URL: http://www.io.mei.titech.ac.jp/index-j.php 6 村上 弘晃 北海道大学大学院 情報科学研究科博士課程 博物館における実世界センシングをベースとした学習支援プラットフォームの基盤構築 URL: http://aiwww.main.ist.hokudai.ac.jp/ 7 山下 尚人 京都大学大学院 工学研究科博士後期課程 ウェアラブルデバイス応用に向けたフレキシブル体温発電素子の開発 8 由井 朋子 奈良先端科学技術大学院大学 先端科学技術研究科博士後期課程 歯科医療におけるハンドスケーリング技術の定量的評価手法と訓練システム開発 URL: http://www.naist.jp 9 王 子洋 筑波大学 システム情報工学研究科博士後期課程 深層学習による身体動作予測に基づくVR/AR遠隔協調作業システムの開発と評価 申請件数:26件,採択件数:9件  助成金額 12,471千円

第6回立石賞受賞者の紹介

Top 財団代表挨拶 選考委員代表挨拶 立石賞 研究助成(S)発表 受領者一覧 選考委員 アンケート ログアウト 立石賞は、2010年の立石科学技術振興財団設立20周年を記念して創設した顕彰事業です。立石賞は功績賞と特別賞の2つで構成しています。功績賞は、過去に当財団から研究助成を受け、その後の研究活動において顕著な業績をあげた研究者に対して授与する賞です。また、特別賞は、当財団の趣意に沿った日本発の研究・技術開発において顕著な業績を上げた研究者に対して授与する賞です。各賞に対し、賞状、賞碑および賞金をもって顕彰します。第6回目となる今回は、公募で受け付けた推薦の中から、当財団選考委員会および理事会にて、以下のとおり、功績賞1名と特別賞1名を選出しました。 本ページで、受賞者からのメッセージ、授賞理由と受賞者プロフィール を紹介します。 功績賞:奈良先端科学技術大学院大学 学長 横矢 直和 様特別賞:大阪大学大学院基礎工学研究科 教授 石黒 浩 様 功績賞 横矢 直和 様 氏名 横矢 直和(よこや なおかず) 所属機関・職位 奈良先端科学技術大学院大学 学長 授賞表題 時空を超える複合現実メディアへの挑戦~リアルとバーチャルの融合~ URL http://yokoya.naist.jp/http://www.naist.jp/about/president/profile.html 受賞メッセージ このたびは、第6回立石賞功績賞の受賞という栄誉に浴することとなり、大変うれしく思っています。立石科学技術振興財団の関係者ならびに2019年度立石賞選考委員会の皆様に厚くお礼申し上げます。 私は、1年弱の併任期間を経て、1993年4月に、当時の通商産業省・電子技術総合研究所(電総研)(現産業技術総合研究所)から新設の奈良先端科学技術大学院大学が学生の受け入れを開始するタイミングで文部省に出向する形で奈良に引っ越してきました。翌年に、立石科学技術振興財団から「画像理解のための並列協調型アルゴリズムの研究」に対して助成をいただきましたが、これは初めて民間の研究助成財団に申請した外部資金でした。 この助成の対象となった研究内容は電総研時代から構想していたものですが、大学に移って2年目で、研究室を主宰する上で看板となる魅力的なテーマ設定の必要性を感じていたころでもありました。私自身は学生時代から画像処理やコンピュータビジョンの分野で研究を行ってきましたが、研究室の方向性として、スタッフである助教授・助手の専門性を活かしながら、学生が面白いと感じる新しい分野に挑戦しようと考えたわけです。その結果が、コンピュータビジョンとスタッフの専門であるバーチャルリアリティ、画像センシングが重要な基盤技術となるであろう、当時はまだ黎明期にあった複合現実(Mixed Reality:MR)、拡張現実(Augmented Reality:AR)分野への進出でした。1995年ころの話で、ほぼゼロからの「時空を超える複合現実メディアへの挑戦」のスタートでした。 それから20年余りの間に幸いにも、マーカを用いるステレオビデオシースルー型拡張現実感システム、マーカをユーザの視界から消す隠消現実、マーカを用いない自然特徴点追跡に基づく拡張現実、全方位映像を用いたテレプレゼンス、拡張現実とテレプレゼンスを融合した拡張テレプレゼンスなどの成果を得ることができました。当初から、MR・AR分野の研究グループとしてはメンバーの専門の組み合わせが良かったので、いずれは国際的にもある程度の競争力は持てるだろうと密かに思っていましたが、「人間と機械の調和」を実現する技術開発を顕彰する名誉ある立石賞をいただくことになろうとは、まさに望外の喜びです。これは偏に歴代の研究室スタッフと新しい研究テーマに挑戦した学生諸君の尽力によるものです。改めて皆さんに感謝いたします。 受賞者の業績 近年、現実世界と仮想世界を融合した複合現実(Mixed Reality、以下MR)や拡張現実(Augmented Reality、以下AR)という技術は、マスメディアで日常的に紹介されるだけでなく、スマートフォン・アプリとしても身近なものになっている。受賞者は、これら技術の黎明期であった1990年代から当該分野の研究に取り組み、新領域を切り拓いてきた。ARに関しては、主として現実世界と仮想世界の位置合わせという基本問題に取り組み、カメラ映像からの特徴点の実時間検出・追跡に基づくカメラの位置・姿勢推定アルゴリズムを開発し、ARの屋外利用への道を拓いた。また現実世界の仮想化(Augmented Virtuality、以下AV)に関して、遠隔地にあたかも実際に居るかのような感覚を提示するテレプレゼンスについて全方位カメラを用いる方式を世界に先駆けて提案するとともに、ARと組み合わせた拡張テレプレゼンスの概念を提唱した。これらは時空を超える複合現実メディア(タイムマシンと千里眼)実現に向けた挑戦であり、現在の仮想現実市場の隆盛に寄与するものである。これらの技術をもとに、「バーチャル平城京」を開発し、大規模イベントを成功させた。 また、大学という教育研究機関のおいて数多くの修士・博士を輩出し、その多くは大学、民間研究機関や産業界で活躍し、AR・MR分野全体の研究開発レベルを引き上げた。なお受賞者は、1994年に当財団から「画像理解のための並列協調型アルゴリズムの研究」の課題で助成をうけ、その成果も本研究活動の充実と発展に寄与した。 専門技術の概要・説明 1.拡張現実(AR)技術(1) マーカーを用いて現実世界の映像とCGの幾何的位置合わせを実現するステレオビデオシースルー型拡張現実感システムの開発(2) AR空間への没入の妨げとなるマーカーを視界から消すためのインペインティング技術の開発(3) マーカーの代わりにカメラ画像内の自然特徴点を利用したランドマークデータベース照合に基づくカメラ位置・姿勢推定法の開発(4) (3)の技術とGPS測位の併用による拡張現実感システムの屋外実利用の実現 2. 拡張仮想感(AV)技術(1)幾何的特性と光学的特性をあわせ持つ現実物体の3次元モデル生成法の開発(2) 全方位ビデオ映像から任意視線方向の映像を実時間で生成・提示するテレプレゼンス方式の開発およびプロトタイプシステムを活用した実証(3) 全方位ビデオ映像にCGや実物体の3次元仮想物体をAR合成した蓄積再生型の拡張テレプレゼンスの概念の提案(4) 平城宮跡での無人飛行船からの空撮全方位ビデオ映像を用いたプロトタイプシステム「バーチャル平城京」の 開発(5) 上記システムを活用し平城遷都1300年祭において一般市民に1300年前の平城京を上空から仮想体験する機会を提供 学歴:   1974年 3月 大阪大学 基礎工学部情報工学科卒業 1979年 3月 大阪大学大学院 基礎工学研究科物理系博士後期課程修了、工学博士(大阪大学) 職歴:   1979年 4月 通商産業省 工業技術院 電子技術総合研究所 研究員 1986年10月 カナダ・マギル大学知能機械研究センター 客員教授 1992年 5月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学センター 教授 1994年 9月 奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 教授 2013年 4月 奈良先端科学技術大学院大学 理事・副学長・情報科学研究科教授 2017年 4月 奈良先端科学技術大学院大学 学長(現在に至る) 主な受賞歴:   1990年5月 情報処理学会 論文賞 2005年3月 情報処理学会 フェロー 2005年9月 電子情報通信学会 フェロー 2012年3月 日本バーチャルリアリティ学会 フェロー 2012年9月 日本バーチャルリアリティ学会 2012年度論文賞 2016年12月 IAPR (International Association for Pattern Recognition) Fellow Topへ 特別賞 石黒 浩 様 氏名 石黒 浩(いしぐろ ひろし) 所属機関・職位 大阪大学大学院基礎工学研究科 教授 授賞表題 人と関わるロボットメディアの研究開発 URL https://www.irl.sys.es.osaka-u.ac.jp/ 受賞メッセージ このたびは,立石賞という栄誉ある賞をいただきありがとうございました.金出先生をはじめとする尊敬する先生方が受賞された賞をいただけたことは大変光栄です.これを励みにさらに熱意を持って研究開発に取り組みたいと思っています. 私は人間と関わるロボットの研究開発に取り組んでいますが,その私が,人間と機械の調和を促進し,技術革新と人間重視の視点の両面から最適な社会環境の実現に寄与することを目的とする本賞に選ばれたことは,その研究開発に一定の評価いただけたのだと理解し,大変ありがたく思っています. 私が取り組んできた人と関わるロボットの研究開発では,研究開発当初から,テレワークにも利用可能な遠隔操作型ロボットの研究開発に取り組んできました.いわゆるアバターの研究です.自らのアバターであるジェミノイドや高齢者の対話を促進するためのテレノイド等,テレワークに利用できる様々なアバターロボットを開発してきました.一方で,昨今の新型コロナウィルスの問題は,我々の生活に大きな影響を及ぼし,以前とは異なりテレワークの必要性が格段に高まっています.今後は,これまでの研究成果をさらに発展させ,今後我々が受け入れざるを得ない新たな生活様式の中で,人々の生活を様々に支援するための研究開発に取り組めればと考えております. 受賞者の業績 受賞者は、コンピュータやスマートフォンに続く、新しい情報メディアとして、人と関わるロボット(通称:コミュニケーションロボット)の研究開発に、世界に先駆けて取り組んできた。人間は、人間を認識し人間と関わるための脳機能を持つ。それ故、人間に似たロボットは、より人間に親和的なメディアになる可能性がある。このことを、受賞者は人間に酷似したロボット(通称:アンドロイド)を始めとした、多様な人と関わるロボットを独自に開発しながら、実社会での実証実験等を通して、技術的、認知科学的に実証してきた。そして、ヒューマンロボットインターラクションと呼ばれる研究領域を創成し、世界の研究を先導してきた。具体的な業績として、2000年に人と関わる機能を備えたロボットらしい見かけを持つ「ロボビー」を開発し、人とロボットの関わりを研究する先駆的な研究として注目された。2005年には、愛知万博で人間をモデルにしたアンドロイドを国内外に発表し、世界的な注目を集めた。そして、2006年には自らのアンドロイドである「ジェミノイド」を発表し、再び世界的な注目を集めた。また、アンドロイド研究を通して得られた知見を基に、人間の見かけとしてのミニマルデザインを持つ、高齢者用対話ロボット「テレノイド」を開発した。このような研究開発の成果により、招待講演はこの5年間で200件を超え、メディア掲載はこの5年間で500件を超える。 専門技術の概要・説明 受賞者が創設してきた人と関わるロボットの研究は、ヒューマンロボットインターラクションと言われる研究分野である。従来のロボット研究は、マニピュレーションとナビゲーションが中心であったが、受賞者はそこにヒューマンロボットインターラクションという新たな研究分野を創設した。この新しい研究分野では、工学と認知科学を融合させた研究方法を用いる。具体的には、人間に似た身体や感覚を持つロボットを用いながら、人と関わるロボットの機能の開発に取り組むと同時に、その機能を認知科学的方法により評価する。さらにこの新しい分野の研究は、ロボットを用いた新たな科学へと発展してきた。単に人と関わるロボットを開発するだけでなく、人間に似たロボットの開発を通して、人間の性質や機能そのものを理解することができる。特に人間の存在感、身体性、対話、社会性等、従来の科学的な研究だけでは解明が難しい問題を取り扱うことができる。 学歴:   1986年 3月 山梨大学工学部計算機科学科卒業 1991年 3月 大阪大学大学院基礎工学研究科博士後期課程物理系専攻修了、工学博士 職歴:   1991年 4月 山梨大学工学部情報工学科助手 1992年 4月 大阪大学基礎工学部システム工学科助手 1994年10月 京都大学大学院工学研究科情報工学専攻助教授 1998年 3月 カリフォルニア大学サンディエゴ校客員研究員(1999年3月まで) 1999年10月 国際電気通信基礎技術研究所(ATR)知能映像研究所客員研究員 2001年 4月 和歌山大学システム工学部情報通信システム学科教授 2002年10月 大阪大学大学院工学研究科知能機能創成工学専攻教授ATR知能ロボティクス研究所客員室長 2009年 6月 大阪大学大学院基礎工学研究科システム創成専攻教授(現在に至る) 2011年 4月 ATR石黒浩特別研究室客員室長 2014年 1月 ATR石黒浩特別研究所客員所長(現在に至る) 主な受賞歴:   2010年4月 ATRフェロー 2011年12月 大阪文化賞 2013年7月 大阪大学 特別教授 2015年4月 文部科学大臣表彰 科学技術賞 2015年12月 シェイク・ムハンマド・ビン・ラーシド・アール・マクトゥーム知識賞 2017年4月 大阪大学 栄誉教授 Topへ