研究助成成果集 第26号

研究助成成果報告

国際交流助成成果抄録はこちら

(年度順五十音順)



[研究助成(A)(B)] 35件
Development of risk evaluation system for traffic accidents and falls on virtual reality system
大野 暢亮
兵庫県立大学 大学院シミュレーション学研究科 教授
没入型のバーチャルリアリティ装置であるCAVEシステム上で動作する道路交通および屋内転倒のリスクを安全に評価するシミュレータを開発した。さらに,シミュレータを用いて高齢者の認知にかかわる実験をおこなった。結果,若年者と比較して道路横断に関係する自動車の距離・速度の機能の低下などが明らかになった。同時に転倒リスクの啓発もおこなった。
Development of a small unmanned aerial vehicle controlled by insect-inspired visual signal processing
奥野 弘嗣
大阪工業大学 情報科学部 講師
本研究では,オプティカルフローパターンを利用して小型飛行体の自己運動を識別するアルゴリズムを開発し,このアルゴリズムによって制御されるモータ駆動系とこれを搭載するドローン機体を開発した.従来,オプティカルフローの取得・利用には大きな処理負荷が必要であったが,本研究では,昆虫の視覚系に学ぶことにより簡便なアルゴリズムを開発した.
Preliminary Study of Interview Communication Training for Individuals with Social Anxiety Disorders Using Android Robot.
熊崎 博一
金沢大学 子どものこころの発達研究センター 特任准教授
アンドロイドを社交不安障害の介入に用いることができる第一段階として、多くの社交不安障害患者にとってアンドロイドが心地よく会話できる対象となるように、社交不安障害患者とアンドロイドのインタラクションの実験を行った。本実験を通して社交不安障害患者にとってアンドロイドが心地よい会話のagentと成りうることが示された。
Artificial heart by use of a 5 DOF active controlled maglev motor
栗田 伸幸
群馬大学 大学院理工学府 電子情報部門 助教
重度の心疾患患者が増加する一方,両心室を補助・置換可能な人工心臓は臨床的にはまだ存在していないため開発が求められている。そこで申請者らは,5自由度能動制御型と,ダブルステータ型アキシャル磁気浮上モータの2種類の磁気浮上モータの開発を行い,それぞれの磁気浮上モータを人工心臓用血液ポンプに応用した際のポンプ特性を明らかにした。
Development of a Basic Technology of Watching for Residents' Activity at the Residential Environment
小林 一郎
お茶の水女子大学 基幹研究員 教授
高齢化社会を迎え、近い将来、家庭にロボットが導入され居住者の生活を見守り、居住環境の管理を担う生活のパートナーになることが考えられる.このことから、本研究は、家庭内において居住者とマルチモーダル情報を用いた対話を行い、その観察した様子を文章で伝えることができる、日常生活を見守り支援を行うロボットの基盤技術を構築することを目的とする.
Animal-Touch’n Go (ATG): Mechanism for Collecting Recorded Information from Wildlife-borne NFC Devices
小林 博樹
東京大学 空間情報科学研究センター 講師
福島第一原子力発電所から北西報告10キロ地点(帰還困難区域)の生物多様性情報を長期・自律的に取得するため、電源・情報インフラの存在しない同地区に生息する動物にセンサを装着し、省電力に記録情報を取得する基盤を構築した。動物群の数世代に渡る被爆状況を調査支援への活用が期待される。
Intravital optical communication using biocompatible optics and photonic LSI
竹原 宏明
東京大学 助教
本研究では、生体との親和性の高いハイドロゲル材料技術と、高集積化・小型化を可能とするLSIチップ技術の融合により、生体と親和して生体内で光により計測・通信を行う手法の開発を進めた。生体センシング用埋植型チップへの適用を想定し、生体内留置が可能なハイドロゲル製ファイバと光通信用埋植型LSIチップによる生体内光通信の実証研究を行った。
Clean and safety power generation system by biological methods
田中 陽
理化学研究所 生命システム研究センター ユニットリーダー
シビレエイの電気器官は多数のイオン輸送膜タンパクが集積された発電細胞が直列に積層した高効率なATP系発電システムである。本研究では、これをマイクロ流体システムに組み込んだ画期的な発電システムの創成を目標とし、発電器官の刺激応答特性の計測、ならびに発電機の実証を行った。
Communication Infrastructure Reconstruction based on Unmanned Aerial Vehicle and its application to Disaster Managemen
延原 肇
筑波大学 システム情報系 准教授
震災や台風などの災害発生後、当該被災地域において発生する通信断絶問題を解決するために、複数の小型無人航空機(UAV)と短距離無線デバイス(ZIgBee)を利用し、それらの配置、移動の最適戦略を遺伝的アルゴリズムによって数十分から数時間程度のオーダーで復旧・解決する枠組みを提案する。
Fundamental Research of Multifocal Electroretinogram in Carp toward the Objective Monitoring of the Retinal Color Function
針本 哲宏
中京大学 人工知能高等研究所 所員
iPS細胞移植による色覚機能再生過程を検証するための視機能の他覚的モニタリング法の実用化に向けて、まずは色覚を有するコイやヒトの色光応答分布特性を実験的に調べた。我々は臨床眼科で用いられている多局所網膜電位図計測(VERIS)をコイ眼盃網膜に適用し、コイ網膜とヒト網膜ではその構造や機能に違いがあることを明らかにした。
Graph multilinear signal processing for brain decoding with high time-resolution
東 広志
豊橋技術科学大学 助教
本研究では,新しい脳波処理の枠組みとしてグラフ多次元配列信号処理を提案し,複数のBCIにおいてその性能を評価した.グラフ多次元配列信号処理はグラフによって「どのような処理を行いたいか」を明示的に示すことができる.提案手法によって,脳波から情報抽出精度を改善し,BCIにおける性能向上を達成した.
Development of spectroscopic sensor for detecting digestive disease from 3D map of spectroscopic information
松本 光広
神奈川大学  工学部 准教授
本研究では,円状領域における全方位の対象物からの光を多点同時に分光して光の波長を知ることができるイメージング分光器を開発した.円状領域を多点同時に分光できるイメージング分光器について、構造と仕組みを示して,分光器を設計した.設計したイメージング分光器を,実際に作成して構成した.
Exploering movement information that changes emotinal state
三浦 哲都
早稲田大学 スポーツ科学学術院 助教
人間は他者と運動を同期することで、その相手への気持ちが変化することが知られている。この運動同期による心理変化を可能にする情報とは、いったいどのようなものだろうか。本研究は、人と人の運動同期、人と機械(人の映像)との運動同期がどのように異なるのかを調べることで、心を変化させる運動情報とは何かを探る。
Production of movale wrist joint made in magnesium alloy for a practical use-oriented, electrically powered prosthes
森 貴彦
湘南工科大学 准教授
先行技術である電動ハンド用回旋・迅速交換式屈曲手継手の問題点を解決する為に,マグネシウム合金,NCナイロンやポリカーボネイトを用いて機能性向上と軽量化を施した手継手を試作した.締め操作の為のねじ部品を使わなくてもボールジョイントによって電動ハンドを任意方向に無段階に位置決めができ,ワンタッチでロックとその解除を可能とした.
Dysphagia Diagnosis System using Biometric Technology
八木 直美
兵庫医科大学 特任講師
人間の生存に関わる基本活動である「モノを飲み込み胃に送り込む」という嚥下機能を、音や呼吸に関する情報を解析し、非侵襲かつ身体的・心理的ストレスフリーな方法でセンシングして、嚥下障害の簡易診断システムを開発した。本システムにより、吸息-嚥下パターンの頻度が、嚥下障害を有する患者において有意に増加することを確認することができた。
Development of mouthguard biosensor for monitoring of saliva glucose in oral cavity
荒川 貴博
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 講師
血糖値との相関関係のある唾液中グルコースに着目し、口腔内への装着が可能なマウスピース型グルコースセンサを、歯科材料とMEMS技術を利用して無線を組み込んだマウスピース型グルコースセンサを作製した。人工唾液中にてグルコース溶液に対する出力増加が観察され、唾液グルコース濃度を含む範囲でグルコースの計測が可能であり、その有用性が示された。
Development of walker robot for gait assistance with wearable robot
香川 高弘
愛知工業大学 准教授
歩行に障害のある患者や高齢者の歩行を補助する装着型ロボットの研究開発が進められている.しかし,歩行速度が遅く,身体負荷が高いという問題がある.本研究では,腕で体を支えるための歩行器に着目し,全方向に移動可能な駆動機構を持つ歩行器ロボットを開発した.今後は,歩行補助ロボットとの協調制御を開発し,速くて負担の低い歩行の実現を目指す.
Development of an effective health guidance method in the work site using urinary sodium and potassium ratio meter
桑原 和代
慶應義塾大学 医学部 助教
過剰な塩分摂取は,高血圧有病率,脳・心血管疾患死亡率を上昇させる。本研究は,職域で尿中のナトリウム・カリウム比を食事指導の指標とし,新しい高血圧予防のための行動変容手法を開発することを目的とした。ナトカリ計の利用とカリウム摂取強化の食事指導は効果的にナトカリ比を下げる可能性があり,新しい保健指導の手法として有用であることが示唆された。
Estimation of the intended joint angle using deformation of the biological tissue
小林 洋
大阪大学 機能創成専攻生体工学領域 准教授
本研究では,操作者の生体信号に基づき意図通りに操作可能な人間調和型ロボットの開発を目指し,筋肉の収縮状態を推定可能な生体組織の変形情報の計測を可能とする導電性超薄膜を使用しの生体適合型センサの開発,生体組織の変形情報に基づく関節動作量推定アルゴリズムの構築に取り組んだ.
Novel Method for Hand Rehabilitation Using Virtual Mirror Box
小柳 健一
富山県立大学 工学部知能デザイン工学科 准教授
手指のリハビリテーションに用いられる古典的な道具であるミラーボックスに画像処理と情報化技術を加えたバーチャルミラーボックスを開発した.これを用いることで,麻痺や注意障害などの回復訓練を行え,その程度を定量的に評価できる.また,空気圧によって膨らませ力刺激をリハビリ中に与えられるマルチバルーンアクチュエータを開発した.
Capturing of floating cells on pH sensor for evaluation of complement activity
合田 達郎
東京医科歯科大学 生体材料工学研究所 助教
補体活性評価系への応用を目指した、浮遊細胞の新規細胞膜障害性測定法を開発した。イオン応答性電界効果トランジスタ表面に機能性有機界面を構築することで浮遊細胞を非侵襲に捕捉し、細胞膜近傍pH微小環境の変化から膜障害性を高感度かつリアルタイムに検出した。今後、ナノマテリアルを初めとした様々なバイオマテリアルの補体活性評価に用いる。
Developlement of feeding and receiving probes in wireless power transfer for difficult-to-feed equipment
田村 昌也
豊橋技術科学大学 工学研究科 准教授
本研究は人間と機械による、より高度で安全・安心な社会を実現するため、医療設備や輸送用機器、工場インフラなどのヘルスモニタリング用センサへワイヤレスに電力と情報を伝送する新しい方式の開発を目標とする。この目標を達成するため、本研究期間中に見通し外での受電効率と共振モードが情報通信へ与える影響を明らかにした。
Development of process technology for nanostructured solar cells on wearable devices
都甲 薫
筑波大学 数理物質系 助教
本研究では、小さな面積で大きな発電量が得られ、かつ軽くて柔らかい太陽電池である「フレキシブル・多接合ナノワイヤ太陽電池」の開発を目指し、その要素技術となる「プラスチック上Geナノワイヤ」の形成技術を検討した。配向したGeナノワイヤを再現性良く得られる技術を確立すると共に、デバイス化に向けた今後の指針を構築した。
Construction of the Electric Nose by photonics technology
西島 喜明
横浜国立大学 大学院工学研究院知的構造の創生部門 准教授
本研究では空気中の物質を超高感度で検出するためのプラズモン材料の開発とガスセンサーの構築を目的として研究を行った。ナノ/マイクロ複合型のプラズモン材料により、表面増強赤外吸収の効果を検証した。また、二酸化炭素をターゲットとした高感度化の実証実験を行うことに成功した。
Study on the Driving Skill Evaluation based on Operation Timing
橋本 幸二郎
熊本高等専門学校 助教
高齢ドライバーによる交通事故が多発している.主な要因は加齢による運転技量低下であり,この運転技量を評価する指標を確立することにより,運転中止の判断を客観的統一的な指標に基づき下すことができる.本研究では,操作を実行するタイミング技量に着目し,運転行動データからドライバーのタイミング技量を評価する,運転行動モデル化手法を提案する.
Texture Evaluation System of Gel Foods for Elderly People Based on Pressure Distribution Analysis
東森 充
大阪大学 大学院工学研究科 准教授
高齢者向けゲル状食品を対象とした食感評価システムを開発した.弾性可変型模擬舌を導入した人工咀嚼装置により食品圧縮・破断中の圧力分布を測定・解析し,その特徴量から食感を推定する数理モデルを作成した.6種類の市販ゲル状食品の食感推定実験を行い,食感を高精度で推定可能なこと,ならびに,適切な模擬舌弾性が存在することを明らかにした.
Non-contact measurement of breathing and heart beat using airborne ultrasound by M-sequence and frequency-sweep modulated pulse compression
平田 慎之介
東京工業大学 大学院理工学研究科 助教
空中超音波を人体に照射し,体表から反射したエコーを受信・処理することで呼吸・心拍をモニタリングするシステムについて検討を行った.M系列符号を用いたパルス圧縮により相互干渉の少ない複数の計測システムを構築し,様々な方向から被験者の胸部変位を計測することで,立位脱衣状態の被験者の呼吸・心拍を計測することができた.
Frontier Research on Stretchable Liquid Crystal Displays Using Gel Materials
藤掛 英夫
東北大学 大学院工学研究科電子工学専攻 教授
伸縮可能な液晶ディスプレイを実現するため、自己保持性の色素入り液晶ゲル膜を試作した。実験では、シアノ系液晶にデンドリマー型のゲル化剤を添加して加熱して硬化させた。透明電極付きガラス基板で挟んで作製した液晶ゲル膜に電圧を印加したところ、透過光の光変調を確認できた。さらに透明ゲル基板に塗布した液晶ゲル膜は、破断せず伸縮可能であった。
許 允禎
東京農工大学 大学院工学研究院 准教授
A Feedback Controller Design for Efficiency Improvement of Manual Parameter Tuning
前田 佳弘
名古屋工業大学大学院 電気・機械工学専攻 准教授
本研究は,産業サーボシステムの制御パラメータ調整作業効率の低下という人間・機械協調における問題に対し,制御理論を懸け橋とした新しい調整アプローチによる解決を図った。提案手法は,制御器設計における数理計画法の可解性を利用して,安定パラメータ範囲の視覚的提示を可能とし,その有効性は複数の被験者を対象とした実機実験によって検証された。
Development of the secondary index for personalised advice based on measurement value from human
眞﨑 義憲
九州大学 基幹教育院 准教授
生活習慣改善支援の介入期間中の歩数記録、体重記録から算出される二次指標を用いて、参加者のモチベーションや行動パターンを類推する試みを行った。その類推に基づき群分けを行って介入終了時および介入1年後の体重・BMI値の平均値の差について一要因の分散分析を行ったところ、複数の二次指標において統計的に有意な主効果を確認する事が出来た。
Development of acoustic force formation in living tissue using curved array probe
桝田 晃司
東京農工大学 准教授
本研究は、患者の体表面に密着できる湾曲形状の超音波アレイプローブを開発し、超音波診断だけで無く治療も可能な医療機器を開発することを目的とする。プローブ表面の超音波素子が曲面状に配置されるため、生体内の目的の位置に超音波の焦点を形成する新たな制御手法が必要となる。極細カテーテルを用いた屈曲制御を行いた検証により、目的の音響放射力の形成を確認した。
One-shot confocal microscopy for histopathological diagnosis
南川 丈夫
徳島大学 大学院社会産業理工学研究部 講師
本研究では,厚い組織でもボケがなく(高い高軸方向空間分解能を有する),かつ病理診断に師匠がないほどの観察速度を有する病理組織観察法の実現のため,波長/空間次元変換に基づいたワンショット共焦点光学顕微鏡の開発を行った.その結果,機械的可動部を有さずに露光時間0.23ミリ秒で観察可能な共焦点イメージング法を実現した.
Pedestrian Navigation System for Visually Impaired People Using Image Recognitionfor Braille Block and Obstacles
山下 晃弘
東京工業高等専門学校 情報工学科 准教授
視覚障がい者向けナビシステムの実現に向け,ディープラーニングに基づく点字ブロック認識と,LSD-SLAMを用いた障害物認識及びルート生成方法の研究開発に取り組んだ.成果として,予め用意した点字ブロック画像のデータセットにて99%以上の認識精度を達成し,また試験環境においてLSD-SLAMを用いた障害物回避ルートの生成を実現した.
Development of 8-direction Steerable MicroCatheter
山田 篤史
滋賀医科大学  バイオメディカル・イノベーションセンター 特任助教
本課題では,血管分枝の選択性能を向上させることで正常血管を温存した効果的な塞栓術を実現することを目的として,著者らが開発したユニークな弾性屈曲機構であるActive Sheathを用いて,先端を屈曲制御可能な能動マイクロカテーテルを提案・試作した。さらにその機構を拡張し,8方向操舵の可能性について検討した.

[研究助成(C)] 5件
Expression interaction between human and mobile objects
土田 修平
神戸大学 大学院工学研究科 博士課程後期課程(助成受領時:神戸大学大学院 博士課程後期)
近年,人と移動ロホ?ットを組み合わせたハ?フォーマンスか?見られるか?,人と移動ロホ?ットの動作の組み合わせから成るハ?フォーマンスか?観客にと?のような印象を与えるか明らかて?ない. そこで人と移動ロボットの動作の組み合わせか?,観客に与える印象にと?のような影響を及ぼしているかについて調査した.
Constructing System Architecture for Real-time Personalized Memory-Aid Agent Service for People with Dementia
徳永 清輝
(株)Z-Works (助成受領時:神戸大学大学院 博士課程後期)
高齢化社会を背景に、認知症患者を支援するために様々なアシスティブテクノロジーが開発されている。しかしながら、既存のシステムでは、機械的なインタラクションおよびリアルタイムに支援するという点で課題がある。そこで本研究では、上記問題を解決するため、認知症者ならびに高齢者の生活を支援するためのスマートサービスの設計・開発を行う.
Estimation of Joint Angular Velocities from Surface Electromyograms and Its Application to an Input Interface
堀江 和正
筑波大学 計算科学研究センター 研究員(助成受領時:筑波大学大学院 博士後期課程)
本研究では,筋電の過去情報である平均積分筋電位と高い関数近似能力を持つ選択的不感化ニューラルネットを用いることで,表面筋電位から動作中の関節角速度を推定する手法を開発,提案した.評価実験の結果,提案手法は手首屈曲伸展,回内回外方向の角速度を最大値の10%以下の誤差で推定できた.
Development of Highly Sensitive Biosensor for Multiple Amino Acid Sensing Using Bacterial Chemotaxis
分部 寛道
東北大学 大学院医工学研究科 博士後期課程
本研究ではPOCT対応アミノ酸センサの実用化を目的に,細菌のもつ走化性システムを利用した脂質二分子膜FETセンサの開発を行った.ISFETゲート酸化膜上にSU-8マイクロウェルアレイを形成し,新規開発したWater-Oil-Water型灌流システムによりマイクロウェル上に脂質二分子膜を形成することに成功した.
Quantitative surgical task evaluation system for endoscopic surgery using a surgical navigation technology
杉野 貴明
名古屋大学 大学院情報学研究科 研究員(助成受領時:千葉大学大学院 博士後期課程)
高度な技術が求められる内視鏡下手術における手術手技の習熟支援及び最適化支援を図るため,本研究では手術ナビゲーションシステムより得られる情報を応用し,手術手技中の問題点及び問題箇所の特定に有用な手技定量分析・評価手法の構築を行った.ナビゲーション誘導下内視鏡下副鼻腔手術を対象とした臨床計測・分析実験の結果,本手法の有用性が示唆された.