2022年度助成金贈呈対象決定のお知らせ

2022年度の助成対象が、選考委員会による厳正な審査と理事会を経て決定しましたのでお知らせいたします。本年度は、研究に対する助成として47テーマを選定・決定いたしました。助成対象(助成者と助成課題)については、次頁以降をご参照ください。また、助成対象を代表して、2022年度研究助成(S)の概要を抄録として抜粋しています。なお、贈呈式は、5月25日(水)にザ・プリンス 京都宝ヶ池にて開催します。贈呈式の参加は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、研究プログラム別代表者と財団関係者とし、助成金受領者はウェビナーにて参加します。

■今回および累積の助成金額
  研究助成
件数・額
国際交流助成
件数・額
合計
件数・額
今回(2022年度) 47件
1億5,569万円
(前期のみ)   0件
(前期のみ)  0万円
47件
1億5,569万円
累積(1990年度~2022年度)
  (立石賞17件を除く)
935件
26億1,826万円
540件
2億6,706万円
1,475件
28億8,532万円
今回助成される皆様には是非とも研究課題を達成していただき、最先端の科学技術でグローバル社会に貢献していただくこと、そしてさらにはこれらの中から、将来の立石賞受賞者が輩出されることを期待します。

2022年度 研究助成 受領者および研究課題一覧

【研究助成(S)】
最大3,000万円(間接経費含む)/3年を助成 研究期間:2022年4月~2025年3月
No 代表者氏名 所属・職名 研究課題
1 桂 誠一郎 慶應義塾大学
理工学部 システムデザイン工学科
教授
運動と知覚の時空間拡張に基づく手づたえ教示システムの開発
申請件数:9件、採択件数:1件  助成金額 30,000千円

【研究助成(A)】
最大250万円(直接経費)を助成 研究期間:2022年4月~2023年3月
No 氏名 所属・職名 研究課題
1秋口 俊輔富山高等専門学校
電子情報工学科
准教授
血流イメージングを用いたディープラーニングによる皮膚癌最初期診断支援
2飯島 涼早稲田大学
大学院基幹理工学研究科
助手
生体電位を用いたウェアラブルデバイス向け動作認証方式の開発
3石田 和也一般社団法人テレメディーズ
医師
IoTデータと尿中Na/K比に基づいた心不全再発予防サービスによるPPKの実現
4石田 祥一横浜市立大学
大学院生命医科学研究科
特任助教
複合現実を用いた化学反応ネットワーク向けユーザーインターフェースの開発
5石綿 整量子科学技術研究開発機構
主任研究員
ダイヤモンドスピン偏極増幅器による人体分子MRIの実現
6今城 哉裕東京女子医科大学
先端生命医科学研究所
ポスト・ドクター
ケロイドの予防に資する複数方向の機械振動による細胞遊走の抑制
7内海 ゆづ子大阪公立大学
大学院情報学研究科
講師
ブドウ栽培作業者育成のための支援システムの開発
8大西 章也香川高等専門学校
電子システム工学科
講師
高齢者の興味を引くコミュニケーションロボットの開発
9金山 範明産業技術総合研究所
情報・人間工学領域
研究員
バーチャルリアリティ空間における脅威刺激認知の脳波による定量評価
10川口 一画筑波大学
システム情報系
助教
物理的実体とCG表現を融合させたMRロボットの開発
11木村 剛英つくば国際大学
医療保健学部 理学療法学科
助教
深層学習を用い、二重課題干渉を指標とした転倒リスクを予測するシステムの開発
12小島 拓也東京大学
大学院情報理工学系研究科
助教
視覚特性を考慮した新計算原理に基づく高効率コンピュータの創生
13齋藤 佑樹東京大学
大学院情報理工学系研究科
特任助教
連合学習に基づく多話者音声変換のユーザ参加型学習
14佐渡 夏紀筑波大学
体育系
助教
体医工融合による動作学習支援システム確立を見据えた跳動作の個別最適値の間接的評価
15佐藤 貴紀秋田工業高等専門学校
電気・電子・情報系
助教
ワイヤメッシュ回路と深層学習の融合によるシート型触覚インターフェースの開発
16繁富(栗林)香織北海道大学
高等教育推進機構
特任准教授
折紙工学技術を用いた細胞の3D立体構造の構築
17姜 銀来電気通信大学
脳・医工学研究センター
准教授
最適刺激位置を追従するRobotic FESの開発
18徐 嘉楽和歌山工業高等専門学校
知能機械工学科
助教
PDMSバイアスバネおよび形状記憶合金厚膜を用いた触覚ディスプレイの開発
19竹内 雄一北海道大学
大学院薬学研究院
准教授
経頭蓋集束超音波刺激によるてんかん発作のオンデマンド制御
20田辺 健産業技術総合研究所
人間情報インタラクション研究部門
研究員
視覚障害者の白杖操作のためのセルフ訓練デバイスの開発
21中島 彩奈長野工業高等専門学校
工学科
助教
エッジAIデバイスを用いた監視システム実現のための行動分類
22原田 祐希熊本大学
大学院先導機構
特任助教
匂い情報空間の構築、分子科学と機械学習の融合による挑戦
23平井 健士大阪大学
大学院情報科学研究科
助教
車車間・歩車間無線通信における非直交多元接続を可能にする自己組織型制御の研究開発
24平井 義和京都大学
大学院工学研究科
講師
生体外ヒト疾患モデルの高い再現性を実現する細胞バリア機能計測技術の開発
25藤原 幸一名古屋大学
大学院工学研究科
准教授
擬似心拍フィードバックを用いた運転者の焦燥感低減技術の開発
26船水 章大東京大学
定量生命科学研究所
講師
意図を読み取る基盤技術開発
27星 裕介東京都市大学
理工学部電気電子通信工学科
准教授
原子層ヘテロ構造共振器を利用した超高感度嗅覚センサーの開発
28本間 康弘順天堂大学
大学院医学研究科整形外科
講師
音響工学を応用した人工股関節挿入手技支援デバイスの開発
29松原 輝彦慶應義塾大学
理工学部生命情報学科
准教授
非接触・非侵襲で病原体を回収するシステムの開発
30村松 久圭広島大学
大学院先進理工系科学研究科
助教
シームレスに精密動作と安全動作が切り替わる協働ロボットの運動制御研究
31元垣内 敦司三重大学
大学院工学研究科
准教授
プラズモニックメタ表面による偏光制御素子の作製と眼底検査用偏光OCTへの応用
申請件数:109件、採択件数:31件  助成金額 81,096千円

 
【研究助成(B)】
最大500万円(直接経費)を助成 研究期間:2022年4月~2024年3月
No 氏名 所属・職名 研究課題
1小谷 潔東京大学
先端科学技術研究センター
准教授
デジタルツインを活用し脳と直接繋がるスマートホーム
2杉本 晃一千葉大学
大学院工学研究院
特任教授
流体力学・機械学習を応用したPICUでの血行動態不安定化予測と突然の心停止の予防
3中村 裕美東京大学
大学院情報学環
特任准教授
和菓子ITアーカイブと利活用:質感・外観の記録復元技術の構築と新規和菓子創成支援
4藤田 克彦九州大学
先導物質化学研究所
准教授
生体内デバイスのための超フレキシブル電力伝送装置開発
5八木 直美兵庫県立大学
先端医療工学研究所
准教授
歌唱による嚥下機能保持・向上のための人工知能と脳科学の融合システム基盤の開発
申請件数:28件、採択件数:5件  助成金額 30,155千円

【研究助成(C)】
博士後期課程の学生に年間50万円(直接経費)を助成 研究期間:2022年4月~(最大3年間)
No 氏名 所属・職名 研究課題
1 石坂 勇毅 千葉大学
大学院融合理工学府
博士後期課程
内耳保護機能の強化に向けたオリーブ蝸牛束反射の予測的制御メカニズムの解明
2 WANG YIWEI 電気通信大学
大学院情報理工学研究科
博士後期課程
身体動作と感情の再現を目指すヒューマノイドロボットの開発
3 荻尾 優吾 大阪大学
大学院工学研究科
博士後期課程
不確実複雑システムの制御設計の見通しを向上させる設計モデルの構築
4 菅野 翔一朗 東京工業大学
大学院工学院機械系
博士後期課程
カーボンナノチューブを利用した電気シナプス型電極による神経インタフェースの実現
5 桑原 嵩幸 関西医科大学
大学院医学研究科
博士後期課程
片麻痺歩行に対する足関節ロボット治療における適応者および非適応者の特徴分析
6 須崎 太久弥 北海道大学
大学院情報科学院
博士後期課程
ポストコロナ時代における商業・公共施設のための空間管理システムの基盤構築
7 高橋 優太 埼玉医科大学
大学院医学研究科
博士後期課程
脳下垂体腺腫の摘出手術のための三次元誘導技術の開発
8 田中 太一 長岡技術科学大学
大学院工学研究科
5年一貫制博士課程
筋電波形を用いた腕の動きに同調するパワーアシスト
9 中村 統 東京大学
大学院総合文化研究科
博士後期課程
熟練者の注視方略から読み解く「経験」の定量化
10 古川 大晃 東京大学
大学院総合文化研究科
博士後期課程
対人間同期が走パフォーマンスに及ぼす影響の解明
申請件数:19件、採択件数:10件  助成金額 14,436千円

おもな研究助成の抄録

研究助成(S)
代表者氏名 桂 誠一郎
所属・役職 慶應義塾大学 理工学部 システムデザイン工学科 教授
分野 生活・健康 生産
研究課題名 運動と知覚の時空間拡張に基づく手づたえ教示システムの開発
研究概要 「モーションコピーシステム」の発明により、人類はその動作全てを記録し、ロボットにより自動再現することに成功した。我が国は少子高齢化が進んでおり、熟練技能の伝承や、リハビリ・医用応用など、人から人へ動作を伝える手づたえ教示の必要性が高まっている。この問題の解決のためには、従来の「モーションコピーシステム」による動作再現をロボットから人間に対して拡張する必要がある。 本研究は人間の知能と技能を「脳-身体モデル」として抽象化することで、革新的な「ヒューマンコピー」を実現する。これにより、個人個人に適した動作解析、予測、適応、さらにはロボットを用いた支援へつながる「人間と機械の融和スパイラル」を形成できる。